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骨盤神経叢のシステム 座骨神経痛と梨状筋症候群

本日の患者
愁訴は

◎側弯症
◎両側大転子の痛み
◎腰痛
◎頸の痛み
◎肩の痛み=特に左側の僧帽筋筋の痛み

五年ほど前に来た女性です
代償性の側彎症を持っています。
脚長が1cmほどの差があります

この女性の側弯症の原因は 早食いによるS字結腸の慢性炎症で左の腸骨が動かなくなっているのが原因です
早食い的環境で育ち、両親も10分以内で食事が終わると言っています。

「早食いこそが我が家の伝統なり」

というような家庭に育ったようです

S字結腸と骨盤内壁が癒着していました
これは「古代倭整体」の技法を使って、5分ほどで解除して左腸骨の可動域を確保。
あとは長いこと固まり続けた「大腰筋」を「AK」のテクニックで解除
SOTで頭蓋仙骨の調整を少し
両側の仙腸関節をディバーシファイドテクニックで解除
腰椎がすべて固まっていたのでディバーシファイドテクニックで解除
仙腸靭帯はベルビックテーブルで矯正
あとは胸椎の可動域を改善して終了

脚長はそろい
骨盤が両側とも滑らかに動くようになり
側弯症は消失していました

腰痛無し
肩の痛み無し
頸の痛み無し
大転子の痛み無し

そしてあらゆる方向へ動いて頂いて、すべての愁訴がなくなったのを確認して終了です



簡単な説明=打撲症と捻挫の違い

例えば
いきなり、足の指やかかとなどが「痛く」なる場合があります。
足指の感覚異常のひとつは直接に指先を何かにぶつける等や蹴つまずくなどで直接足指関節に打撲傷や捻挫などがあると触診時に圧痛が確認されます、
この場合は拇指のみとか示指のみとか限定した範囲で圧痛がありますがこのような場合は足指の関節捻挫が起きて、関節面の痛みを発生しているので触診で簡単に原因が判明します。
つまり、ぶつけた記憶はないが、(殆どの人が覚えていない特徴があります)痛みのある関節部位に圧迫をすると、「その部分」のみが痛い=これが打撲の特徴です。

神経痕が関与している場合=痛みは放散して下腿にまで痛みが広がる。=これは、腰椎、骨盤まで関与しているという意味です

他には一側の足指全部、または足底や、指先,踵に限定した圧痛が認められる場合などは第五腰椎と仙骨神経叢から出ている骨盤神経叢の腓骨神経外側足底枝の影響によるものと判断してよいでしょう、そしてこれらの足指の問題は非過重側の原因となります=これは骨盤の矯正で簡単に治ります。

また、腸骨の異常なASあるいは PI変位が有る場合などは必ず一側の仙骨部、骨盤部や下肢に感覚異常があります、(ローレットテスト、またはピン等による感覚テスト陽性) これは骨盤矯正によって簡単に正常化します
これらの異常を的確に診断するのが腰椎、骨盤の触診と神経学テストです

腰痛はこれらの骨盤神経叢と腰椎の腰神経叢の問題によって引き起こされます、「神経系の作用と筋の連動を理解すると腰痛は簡単に治療が可能となります」、
そして骨盤神経叢と腰椎の神経叢の問題は「体制―内蔵反射」によって下部消化器または泌尿器や生殖器などの内臓の障害をも引き起こす可能性が大となります
(婦人科、泌尿器、内科疾患、消化器疾患など)

     ★座骨神経痛と梨状筋症候群の違いは検査で判明します

一般の整形外科では無理ですが

熟練した「脊椎整形外科医レベル」ならば
座骨神経痛と梨状筋症候群の違いが判ります。

★梨状筋症候群は=骨盤の変異によって「梨状筋の過緊張」で「臀部のみ」が痛い場合を指します=梨状筋は臀部の中心にあるからです

座骨神経痛は腰痛から腸骨までの変異によって、梨状筋下部の座骨神経に圧迫が生じて「下腿」にまで痛み痺れが起きて、整形外科の行う「SLRテスト」が陽性の場合です




★治療家向けの説明
 骨盤のリスティング
伏臥位での検査
1伏臥位で最初に足長の検査をし、荷重側が決定したならば、つぎに骨盤の触診をします、まずPSISにコンタクトして左右の位置を確認しますと同時に腸骨稜の前方への可動性と坐骨結節の可動性をチェックします 
 「左右腸骨の高低、前方への可動域、捻じれ、腸骨の一側のフレアー、大殿筋、中殿筋と回旋筋群の固さ=硬結、過緊張などを調べます,殿筋群に過緊張があれば腰椎の異常を疑います大殿筋であればL5の下殿神経支配域の問題です、また、四頭筋、と中殿筋や大腿外側筋群であればL4上殿神経支配域の問題です」

2仙骨底と仙骨尖を触診します 掌底を使いセイクラムベース(仙骨底)とセイクラムエイぺックス(仙骨尖)の可動性と回旋変位を診ます
仙骨は仙骨底部と仙骨尖部とはそれぞれ違う変位をします、仙骨は五個の骨の融合したものですが大人でも仙骨の融合不良はかなりあります、そして仙骨は健康ならばかなりの可動性があって後方からの触診圧でこの仙骨の「しなり」を診ることが出来ます、
触診においてはこの「しなり」の無い部分を見つけ出します、仙骨は五本の仙骨神経叢を出して梨状筋下孔から出ている腓骨神経群と合流して坐骨神経になり下腿神経叢となって下肢と足のの筋群を支配しています
 仙骨の捻じれの原因となる腸骨の変位を見つけて、なおかつその原因を触診して原因となる硬結部を解除しますと仙骨は「しなり」を取り戻すことが出来て神経叢の圧迫を解除することが出来ます

仙腸関節部後仙腸靭帯と仙棘靭帯(仙棘筋)の固さを触診するとともに仙腸関節の可動性を調べます

 「後仙腸関節靭帯」は広背筋や脊柱起立筋の起始部であり、この脊柱起立筋の疲労や内臓の影響と荷重側の疲労性によっても柔軟性を失うので病理的なものからかそれとも連動性の代償性かあるいは疲労性かを判断します=足部の影響や腕部、胸郭の影響でも変化をします」=腕部の影響は後述

4股関節と膝の可動域=膝関節の屈曲角度を確認します
 「股関節の屈曲角度は通常四頭筋外側部と回旋筋群の過緊張によって制限を受けるので足がフレアーとなります=L1またはL4の障害」で起きます

5左右の足、それぞれを引っ張って腰椎、大腰筋、ハムストなどの関与と可動域を調べます
 「上半身との連動と連動の途切れている箇所を見つける」=これは仰臥位でも行います

6腸骨稜の高さと坐骨結節の高さをチェックして坐骨結節が前方へ沈み込んでいくかをチェックします
 「腸骨稜は通常、病理変化が無い場合、荷重側が高位となり,坐骨結節部は低位となります、骨盤部に病理変化があればL5L4の神経圧迫がいずれかの箇所で問題を起こし、下殿神経、あるいは上殿神経の異常があって殿筋群の過緊張が発生していると判断します、
また、仙骨のずれによる仙結節靭帯、仙棘靭帯の過緊張の影響もありますさらに
L1、の障害があれば腸骨下腹神経、腸骨鼠経神経の影響によって斜腹筋、腹直筋、腰方形筋の過緊張によって一側の腸骨稜が上方に引き上げられるために短下肢となる症状が見られることもあります=この場合も「梨状筋症候群」が発生します

また脊椎分節を取り巻く椎骨洞神経などの脊椎神経後枝の刺激によってサブラクセイションを起している分節周辺の脊柱起立筋は拘縮を起して、その部分に筋の過緊張と痛みを発生させるので、分節のずれている部分の筋の短縮が起こり、腸骨の変移がおきる場合もあります

3
7 腸骨のPIであれASであれ、健康ならば仙腸関節の回転変位は正常な範囲を逸脱することはなく、また可動性も荷重側のPI腸骨でも非過重側のAS腸骨でも各方向への可動性は十分に認められるものです
 ★ちなみに、正常であれば左右の腸骨の「可動性」は仰臥位において約 2〜3cmほどあります。

問題は可動性の減少であって一側の腸骨のスタックは反対側の過可動性となる場合もあるので注意して触診が必要となります、また、スタックを起こしている腸骨は矯正の対象としての可能性がありますが、必ずしもスタック=矯正ではありません、矯正が必要な場合はサブラクセイションを確認したときのみです
筋による異常牽引で起きているPI変位はカンパセイションであって矯正の対象とはなりません
大腰筋や腰方形筋などの筋性の単なるスタックであれば原因を究明して手技で可動性の回復が可能です

触診は後方からの静的触診と動的触診が必要です、後方からの触診が終了したら、前面からの骨盤の触診をおなじように行います、同じように仙腸関節の仙腸靭帯の過緊張も触診します
そして下肢との連動性も動的触診によって確認します、
動的触診法においては仰臥位で下肢を引っ張ることによる大腰筋テスト法によって胸郭との連動性まで診ることが可能です
腸骨の可動性減少は原因となる要素が色々とあります
 腸骨のPI変位と機能解剖
内蔵の体性反射によるものの代表的な反射拘縮が大腰筋と腸骨筋の拘縮で、この症状では一側の下肢が
「短下肢」となります(片足が短い気がする)などの自覚が出る場合もあります


 腸骨は大腰筋と共に腸骨翼内側に起始する腸骨筋の反射拘縮によって小転子側方向の後下方へ牽引される効果によって腸骨は正中仙骨稜に対してEX方向、つまり前から見ると内側に閉じこみの現象が起きます、また腸骨が内側に閉じようとする力に対して拮抗作用が起こり、大殿筋、中殿筋が過緊張をおこして腸骨の可動性を固定してしまうためにPIとなって下肢と骨盤の可動性は著しく低下します

 場合によっては拮抗作用のために「梨状筋」の過緊張が発生するためにそこを圧迫して坐骨神経痛を発症します,=これが梨状筋症候群です


  梨状筋症候群と座骨神経痛の違い
 
 大腰筋は主にL2の神経支配ですが大腰筋がこういった色々な原因によって過緊張を起こすと起始部である腰椎を牽引するのでこれも腰椎のサブラクセイションの原因となります、この場合、大腰筋の起始部である腰椎の最も過緊張の強い部分の分節が拮抗作用によって短回旋筋のスパズムを誘発してサブラクセイションを起こします、またL2は盲腸の自律神経(迷走神経支配)の反射区で、症候群によってもずれてしまいます
座骨神経痛とは痛み痺れが下肢にまで波及している症状です
これには、腰椎の変位とPI変位の原因が関与します


内臓性の場合の原因は色々と有りますが、内臓の炎症による反射攣縮がもっと多い症状ですが特定することは内臓の触診に熟練しないと無理です=今の医者は「触診」ができない、
まず、内臓性の場合の原因では「春」「秋」の季節的なものが多いことがひとつあります

 消化不良、=早食い、コーヒーの常飲
油物に当たる、=コロッケやフライもの
食物アレルギー=卵、乳、小麦、甲殻類,果実、緑色の野菜、金属類
病院の検査でも判別しない消化器や内臓疾患の初期症状などや、
泌尿器の異常、
生殖器の感染性疾患などもあります

泌尿器、生殖器、消化器、内臓などの疾患の場合は腰痛の特徴である腰椎の変位や骨盤の変位が触診によって見られないのにも関わらず「痛み」が発生するのがひとつの指針となります、

どんなに触診や神経学的検査をしても筋や関節、腰椎、などに腰痛症状を表す特有の異常が見つからないにも関わらず腰痛を訴える時は「原因が完全に病理的」であるので専門医に送り、精密検査が必要となります=「MRIやレントゲンでの病巣の発見と骨位の確認のため」行います

病理学的検査は基本的なもので、必ず行わなければなりません
なんの検査もせずに、いきなり施術をしてはいけない=これは厚生省指導です