先日、
「アーノルドキアリ症候群」という、珍しい病気の人が来院しました

「アーノルドキアリ」というのは、頸椎の、骨形成不全症の一種なのですが
解剖学を習った人ならば、理解できる難病です
回復は認められず「死の転帰」を待つのみという、残酷な病気です

わたしは、これで三人目の患者、四年前に男性の患者が来院、約三か月の施療で回復しています

今回は女性の患者・・・・・
第一日目
めまいのため、歩行が安定しない、
母親が同病で死亡
自分の将来も、同じになるのではないかという、精神的不安
これらのストレスのために、胃腸の不調 と有特の、姿勢の不良が発生します。
それは前肩、と猫背です



問診が終わって診察です


臥位になってもらうと、目まいがひどくなり、施療テーブルに仰向けになれない
しばらく、座位のままで、血圧の安定するのを待つ

めまいが収まり、仰臥位になってもらい、頸椎の触診
後頭骨の陥入がひどく、第二頸椎がまったく触診できない
殆ど、第三頸椎まで、後頭骨が陥入している
後頭部の後部、後頭蓋膜にゆるく圧をかけて、後頭直筋の弛緩を待つ
病院では、「脊髄症と小脳扁桃という診断」

後頭蓋膜にコンタクト、指尖で膜へ「圧」を.掛けていく…..
=しばらくすると、後頭骨が、上がりだし、第二頸椎が現れてくる

もうしばらく、弛緩作業を続ける
やがて、第一頸椎が現われてくる
患者は、「非常に気分が良くなった」
呼吸も楽になり、
めまいも消失

脚力の検査をすると、外見的にも、ひどい0脚であり、筋力テストも、かなり弱化が認められる
左腹部、鼠径部、膀胱部に硬直が触診される
L5.L4に矯正する(L4は大腿神経であり、L4の矯正によって大腿部の筋力が回復する)
L4領域のすべての筋力と脚力は回復した

左腹部の硬直も半分ほど揺るむ(第五腰椎は下部結腸と骨盤底筋群を直接支配している)
残った左大腰筋と骨盤筋群をマニビュレーションで弛緩させる
続いて、膀胱部、結腸下部、鼠径部、骨盤筋群の弛緩作業(排尿困難があるという)

腹直筋は堅いが、胃の機能障害が原因で固まっている
人間は後ろは「背骨と脊柱」で支えられてます
そして前側は腹筋がさえています。従って「内蔵に胃腸炎や腸炎」などの問題が起きると
内蔵を守るために、『筋性防御」が発生して=腹筋が固くなり、身体が突っ張ります=そして姿勢に変化が表れて『前傾姿勢』となります。結果的には前に曲がらず、後ろに反れなくなります=腰痛特有の姿勢制御です。

ちょうど、症状は最もストレスのひどい時期の、2~3年前より現れ始めたという
病院にて「母親と同様の遺伝性とDNA確認」
しかし、小学校、中学校、高校共になんら、症状はなかったという

『ストレス』が直接の原因で、45才でいきなり発症したらしい
ひどい猫背があり、胸椎の伸展が不能状態なので=前首、猫背を解除

後弯の胸椎にまくらを入れ、胸椎の伸展をマッケンジーシステムで行いながら、胸肋関節、肩鎖関節(肩鎖関節の遠位部は、交感神経の昂進を弛緩させる作用がある)

続いて、第5,4胸椎の矯正をする=これは、胃の緊張の解除のため
(胃と胆嚢はストレスに直接反応する臓器である=T5は胃を支配する、T4は胆嚢を支配する)

ひどい猫背があり、胸椎の伸展が不能状態なので=前首、猫背を解除
下半身、上半身ともに、落ち着いてきたので
頸椎を再度触診、第一、第二頸椎共に完全に露出してきたのを確認
第二頸椎のRPIを、
矯正する
(第二頸椎のサブラクセイションはうつ状態と、ひどい目まいと、頭痛を起こす)

肩こり=僧帽筋の過緊張が消失
めまいの消失
臥位、立位の不安定感の消失
精神的不安感の消失
頭蓋の陥入は停止

しかし、まだ、やや、歩行の安定性が良くない
0脚は完全に消失
患者は満足して次週の予約をして帰った、

アーノルドキアリ症候群の
第一日目の施療完了


アーノルド症候群に観血的手法は、すすめられない、症状が軽度ならば、十分にマニビュレーションで回復が見られるからである(ただし、かなり専門的なカイロプラクティックの解剖学、神経学などに:堪能ならばである

もし、重症で歩行すらできない場合でも
「観血的手法」
で症状が回復、または、軽度に変化したという観解したなどの話は、全く聞かない
(悪化した話ならば、ネットでいやというほど沢山、散見できる)

アーノルドキアリの場合は、ほとんど「先天性」の場合が多い

しかも、たいがい〔解解」する。