骨盤について
「骨盤のズレ」
骨盤は、よく『ズレる』と言いますが、 正確には、ズレるのではなく、不正な『回転をする』が正しいのです
骨盤の構造は、ご存知のように左右二枚の『腸骨』と、真ん中にある『仙骨』の三つの骨が靭帯によって組み合わさっています、この腸骨と仙骨の間を『仙腸関節』と呼びます。

腸骨は、母親の胎内に居る時には、『寛骨』、『坐骨』、『恥骨』、の三枚の骨が軟骨で融合して、『Y字軟骨』と呼ばれています。
成長するに従い一枚の『骨盤』になりますが、実はこの『腸骨、坐骨、恥骨』の融合が完成するのは成人してから、さらに、実に22〜才25歳を過ぎるまで完成しないのです
ですから、解剖学的に言うと、『20歳』で゛成人゛とは言えないのです、
寛骨の下にある坐骨と恥骨の間には『閉鎖孔』と呼ばれる大きな孔が開いており、繊維性の閉鎖膜で塞がれていて、骨盤の各種筋肉の付着部になっています。

仙骨の岬角と恥骨節の間を分界線と呼び、上を大座骨孔、そして下を小鎖骨孔と呼びます
大座骨孔は腹腔下部の内臓=大腸や小腸の容器となり、小坐骨孔は左右の坐骨、恥骨、仙骨で構成されています。小骨盤は骨盤臓器=排泄器や生殖器を入れる容器になります。

左右の分界線で囲まれた部分を骨盤輪と呼び、『骨盤入口』となります。
尾骨、坐骨結節、恥骨結合で構成されている部分を『骨盤出口』とよび、筋と筋膜で、出来た尿生殖隔膜で閉じられています。
尿生殖隔膜で骨盤の底部が構成され、この中に膀胱及び、生殖器、直腸などが骨盤腔と会陰で坐骨腔を構成しています。

骨盤は体の中心となる部分で仙骨上に脊椎が乗り、腸骨の股関節腔からは、大腿骨が下へ伸び、脛骨と関節して『下腿』を作り、その先に距腿関節で『足』が身体全体を支えます。

問題は、いわゆる『骨盤』のズレ ですが、この骨盤は体の動きに合わせて「」回転』をする能力があります。
腰痛や、臀部、大腿後部、下腿にいたる神経痛などは、子の骨盤に正常な『回転』を妨げる「」要因』が発生して、
腰椎で構成される、腰髄神経叢と主に生殖器や下部消化器などに神経性と、構造のひずみから来る『歪み』を生じて、痛みが発生してきます。

骨盤の『回転軸』は第二仙骨の約1,5センチ前方にあり、股関節はさらに焼く5センチ下、そしてさらに約4センチ
前方に有ります。

問題の発生点は体幹の長軸線上に、回転軸が『ずれている』という事なのです、
こういった骨盤の構造のために、足からの筋肉のアンバランス、そして、上半身からの筋肉群のアンバランスな動きや、ひずみによって、結果的に、『骨盤』は正常な回転を妨げられるようになります。
内臓=食事の不正で下部消化器に炎症が発生すると、片方の腸骨の回転はしずらくなり、こうして動かなくなった。腸骨に関節する大腿骨には体重の負荷が出来なくなってきます。

内臓の炎症で動かない左の腸骨!、 その代わりに代償性によく動く右の腸骨! = こうして、いわゆる骨盤の『ズレ』が発生してきます

、ここで思い出していただきたいのは、骨盤は消化器及び生殖器と排泄器が入る、大きなお皿のような、「入れ物」であるということです、
ですから、骨盤が歪むと、生殖器に血流の不足が起こり、又は分泌腺に障害が発生して、女性の場合は生理痛、生理不順、不妊などの問題が出やすくなる。 という事です。

『痔疾』なども同じところから、発病します、骨盤の恥骨結合という部分を思い出してください、『骨結合』の後ろには
肛門があります、肛門は静脈叢で囲まれています=ですから、骨盤が『ズレ』ると、小骨盤に捻じれが生じて、肛門の周りの静脈叢を圧迫します。
かくして、「痔」 というやっかいな病気が発症するのです
そこへ、腰椎の神経が関わってきます・・・・・・
すると、内臓の防御反射で腰痛が発生してくるのです