かなり、長いのですが、大切な知識です
厚生労働省の記事から抜粋しました、呼んでおいてください。

【アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック2009】
〜知っていますか?「アレルギー物質の表示」〜
はじめに/目次 ………………………………………………………………… 1
1:食物アレルギーに関する知識 ………………………………………… 2
2:アレルギー表示のために必要な知識
  (1)表示の範囲 ……………………………………………………… 4
  (2)対象品目 ………………………………………………………… 4
  (3)原材料の表示順位 ……………………………………………… 5
  (4)アレルギー表示方法の原則 …………………………………… 6
  (5)複合原材料について …………………………………………… 7
  (6)代替表記、特定加工食品について …………………………… 9
  (7)省略規定について …………………………………………… 12
  (8)乳、乳製品等の表記について ……………………………… 12
  (9)食品添加物の表示 …………………………………………… 13
  (10)香料の表示 …………………………………………………… 16
  (11)微量の取り扱いについて …………………………………… 17
  (12)乳糖の表記について ………………………………………… 18
  (13)コンタミネーションへの対応 ……………………………… 18
1:食物アレルギーに関する知識
○食物アレルギーとは?
食物を摂取した際、身体が食物に含まれるタンパク質(以下:アレルギー物質)を異物として認識し、
自分の身体を防御するために過敏な反応を起こすことです。主な症状は「かゆみ・じんましん」、「唇の腫
れ」「まぶたの腫れ」、「嘔吐」、「咳・ぜんそく」などです。「意識がなくなる」、「血圧が低下してシ
ョック状態になる」という重篤な場合もあり、最悪、死に至ることもあります。
(解説)これは乳成分でアナフィラキシーを起こした事例です。アナフィラキシーの症状はこのように摂取
してから早期に出現し、喘息(ぜんそく)などが起こります。手当てを間違えたり遅れると、呼吸
困難のために死に至ることがある重篤な症状といえます。
事例2:微量なアレルギー物質で症状をきたした例
先日、知人から頂いたみやげ菓子をピーナッツ非含有であることを確かめて食べた
にもかかわらず、一時間後に呼吸困難、浮腫、全身蕁麻疹をともなうアナフィラキシ
ーショックを起こして搬送、入院となりました。幸い回復しましたが、お菓子しか原
因が考えられなかったので、メーカーに問い合わせたところ、製造工程でピーナッツ
サブレとミキサーを共有しており、ピーナッツサブレ製造後の洗浄が不十分であった
ため、混入事故があったことが判明しました。メーカーは直ちに保健所に届け、指導
の下、今後ピーナッツ菓子専用のミキサーを設置するとの改善策、回答を得ました。
(解説)洗浄が不十分であったため、微量のピーナッツが混入していました。表示によって安全であること
を確認した上で飲食したにもかかわらず、症状が出てしまいました。
○食物アレルギーの原因究明のために
食物アレルギーに有効な治療方法は無く、現在のところ、原因となるアレルギー物質を摂取しないことで
防いでいます。そのため、アレルギー表示は患者にとって重要な情報であり、事業者は健康被害の防止のた
めにこれを遵守することが重要になります。
? 表示違反(表示されていない場合)発見時の措置
都道府県知事等が必要事項を表示すべき旨を指示し、訂正されるまでの間は、販売を行わないよう(保健
所等が)指導します。
さらに必要に応じて、営業許可の取り消し、又は営業の全部もしくは一部を禁止し、期間を定めて停
止(食品衛生法第55条に基づく措置)ができることになっており、場合によっては、2年以下の懲役又は
200万円以下の罰金、法人では1億円以下の罰金に処せられます。
2:アレルギー表示のために必要な知識
(1)表示の範囲
表示の対象範囲となるものは、食品衛生法施行規則別表第3に定める食品(酒精飲料を除く。)または添
加物です。具体的には容器包装された加工食品および添加物で、流通過程のものに義務付けているので注意
が必要です。
卵・乳・小麦・えび・かに・そば・落花生
あわび・いか・いくら・オレンジ・キウイフルーツ・牛肉・くるみ・さけ・さば
・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン
品目/国(組織)
施行年月
グルテン含有穀類1


ピーナッツ
甲殻類
魚類
大豆
ナッツ類2
そば
フルーツ
肉類
その他
ます。なお、個別食品毎に品質表示基準の定められた食品は、品質表示基準が優先されます(JAS法)。
<事例:ウスターソース>
野菜及び果実は、「野菜・果実」(野菜のみの場合は「野菜」とします)の文字の次に括
弧(かっこ)を付して、原材料に占める重量の割合の多いものから順に「たまねぎ」、「に
んじん」、「トマト」、「りんご」、「デーツ」等と、最も一般的な名称をもって記載しま
す。ただし、記載する野菜及び果実の名称が4種類以上になる場合は、多いものから順に3
種類の名称を記載し、その他は「その他」と記載することができます。
「その他」については、品質表示基準が優先されるとはいえ、それが特定原材料である場
合、省略できません。具体的には、野菜・果実が、たまねぎ、にんじん、トマト、りんご、
デーツ、もも、いちご、ピーマン(重量順)である場合、りんごとももが表示対象となりま
すので、その他で省略する場合は、一括表示で(原材料の一部にりんご、ももを含む)と記
載します。なお、野菜・果実(たまねぎ、にんじん、トマト、りんご、もも、その他)のよ
うに、途中の原材料(デーツ)を省略することは出来ません。
●「卵」は特定原材料のひとつです。
●ショートニングには通常「大豆油」が使用されています。この「大豆油」には特定原材料等の「大
豆」から作られています。「大豆油」は「大豆」の拡大された表記(以下・拡大表記)です。
●「脱脂粉乳」は特定原材料の「乳」の代替表記として認められています。
*代替表記P9参照 *拡大表記P9参照
実際の表示例
(個別で表示する場合)
名称:パン
原材料名:小麦粉、糖類、卵、ショートニング(大豆油を含む)、脱脂粉乳、イースト、食塩
ロールパンの原材料:小麦粉、糖類、卵、ショートニング(大豆油、乳化剤)、脱脂粉乳、イースト、食塩
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...7
(一括で表示する場合)
(5)複合原材料について
複合原材料とは、2種類以上の原材料からなる原材料のことをいいます。例えば「焼肉のたれ」の原材料
である「醤油」は大豆、小麦、食塩などを原料としているので、この「醤油」は複合原材料となります。
<アレルギー表示の場合>
表示例1)カスタードクリーム(乳成分・卵・小麦を含む)
表示例2)(原材料の一部に乳成分、卵、小麦を含む)
解説:表示例2)は最後に一括して表示した場合
? 複合原材料の名称からその原材料が明らかなとき
ア. 複合原材料の名称に主要原材料が明記されている場合
さば味噌煮、とり唐揚げ等
名称:パン
原材料名:小麦粉、糖類、卵、ショートニング、脱脂粉乳、イースト、食塩、(原材料
の一部に大豆を含む)
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...8
複合原材料の名称からは、副原材料に特定原材料等が使用されているかどうかわかりません。
例)さば味噌煮
原材料として、さば、味噌、でん粉、砂糖、調味料(アミノ酸等)を使用している場合
従来の表示では「さば味噌煮」のみの表示で良かったために、でん粉の原材料である小麦が表示され
ません。
味噌の原材料である大豆については味噌が大豆の特定加工食品(P11参照)なので省略することがで
きます。
<アレルギー表示の場合>
表示例1)さば味噌煮(大豆を含む)
表示例2)(原材料に一部に大豆を含む)
解説:表示例2)は最後に一括して表示した場合
イ. 原材料の名称に主要原材料を総称する名称が明示されている場合:
ミートボール、魚介エキス、植物性たんぱく加水分解物等
複合原材料の名称からは、個別原材料に特定原材料等が使用されているかどうかわかりません。
例)ミートボール
ミートボールの名称からは、原材料の詳細がわかりません。
<アレルギー表示の場合>
ミートボールの原材料の中から、特定原材料等をミートボールのすぐ後か、最後に一括して表示しま
す。
ウ. JAS規格、品質表示基準で定義されている場合:
ハム、マヨネーズなど
複合原材料の名称からは原材料の一部として特定原材料等が使用されているかどうかわかりません。
例)マヨネーズ
マヨネーズの名称から、卵が使用されていることがわかります(特定加工食品P9、P11参照)。し
かし、他にどのような特定原材料等が使用されているかわかりません。
特定原材料等の大豆油が使用されている場合
<アレルギー表示の場合>
表示例1)マヨネーズ(大豆を含む)(「大豆油を含む」でも可)
表示例2)(原材料に一部に大豆を含む)
解説:表示例2)は最後に一括して表示した場合
なお、ハムやソーセージの場合に、豚肉を連想できないため、特定加工食品とは認められてい
ないことから、ハム(豚肉を含む)などの表示が必要です。
エ. 一般にその原材料が明らかである場合
かまぼこ、がんもどき、ハンバーグ等
複合原材料の名称からは、個別原材料に特定原材料等が使用されているかどうかわかりません。
例)がんもどき
「がんもどき」の名称からは、原材料の詳細がわかりません。
<アレルギー表示の場合>
がんもどきの原材料の中から、特定原材料等をがんもどきのすぐ後か、最後に一括して表示します。
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...9
 ? 複合原材料の原材料が3種類以上ある場合、その重量に占める割合が3位以下のもので、かつ当該
複合原材料に占める重量割合が5%未満のものについては、「その他」と記載できる。
例)ごまあえ
「ごまあえ」の名称からは、原材料の詳細がわかりません。例えば、「ごまあえ」の原材料配合割合
を『いんげん60%・にんじん22%・ごま10%・しょうゆ4%・砂糖3%・調味料(アミノ酸等)』
とすると、
表示例)ごまあえ(いんげん・にんじん・ごま・その他)、…(原材料の一部に小麦・大豆を含
む)、調味料(アミノ酸等)、…
解説:
・ごまは3番目だが、10%使用しているので、省略不可。
・しょうゆ以下は5%未満なので「その他」と記載可。
・アレルギー物質・食品添加剤については、食品衛生法に基づき記載が必要。
(6)代替表記、特定加工食品について
? 代替表記
  表記方法や言葉は異なるが、特定原材料等と同一であるということが理解できる表記。
? 特定加工食品
  一般的に特定原材料等により製造されていることが知られているため、それらを表記しなくても、
原材料として特定原材料等が含まれていることが理解できる表記(加工食品)。
? 代替表記及び特定加工食品の拡大された表記
  特定原材料等の名称、代替表記及び特定加工食品の名称を含んでいるため、その特定原材料等を使
用していることが理解できる表記。
*?、?で定義された代替表記・特定加工食品は、リストで示された表記以外は認められていません。
*ただし、乳を原材料とする食品については、乳等省令と整合性を取る必要があるため、代替表記に代わり、省令
に定められた「乳」および「乳製品」の種類別名称がそれにあたります。
<間違いやすい事例>
枝豆、もやし、黒豆、等……「大豆」であることが一般的に知られていないため、代替表記と
しては認められません。「枝豆(大豆)」「大豆もやし」「黒豆(大豆)」等と表記する
必要があります。
茶碗蒸し、プリン、等……「卵」を原料とすることが一般的に知られていないため、特定加工
食品としては認められていません。
おから、きなこ、等……「大豆」を原料とすることが一般的に知られていないため、特定加工
食品としては認められていません。
スパゲティ、中華麺、フラワーペースト……「小麦」を原料とすることが一般的に知られてい
ないため、特定加工食品としては認められていません。
マヨネーズ……「卵」の特定加工食品ですが「大豆(大豆油)」の特定加工食品ではありませ
ん。
醤油……「大豆」の特定加工食品ですが、「小麦」の特定加工食品ではありません。
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...10
<間違った表示事例:「○○、醤油(大豆・小麦)、△△----」>
誤った個別表示を行った原材料表示です。醤油は、品質表示基準で定義された複合原材料ですから、
JAS法上は( )の中は必要ありません。
一方、食品衛生法上からは、醤油は大豆の特定加工食品ですが、この事例は原材料として「小麦」も使用
していますから、特定原材料である「小麦」を表示する必要があります。
JAS法では、複合原材料の原材料を記載する場合、原則として、すべての原材料を記載することになって
います。醤油の製造には、少なくとも「大豆、小麦、食塩」が必要ですので、この表示からは、原材料をす
べて記したことにはならず、作為的に一部の原材料の表示をしなかったことになります。アレルギー表示で
は、一般的に表示の正確さの観点から「含む」と表記をするため、この表記では適正なアレルギー表示をし
たとは言えないでしょう(正しくは、「---、醤油(小麦を含む)、----」です。「---、醤油(大豆・小麦を含
む)、----」にすれば、よりわかりやすくなります)。せっかく表示をしたにもかかわらず、この場合、結果
として、不適切な表示をしてしまっていることになり、改善が必要となります。
<禁止されている表示例>
原則として省令や通知で定める特定原材料等の名称(特定原材料等の代替表記方法リストP11参照)で表
記します。以下のような特定原材料等を複合化した表記方法は認められていません。
大項目分類名使用の禁止例
注)これは特定原材料等を含まない「穀類」等の表示まで禁止するものではありません。但し、製造
工程上の理由などから、例外的に次の食品に限って次のように表示することができます。
正しい表示 禁止されている複合化表示
「穀類(小麦、大豆)」又は「小麦、大豆」 「穀類」
「牛肉、豚肉、鶏肉」 「肉類」、「動物性○○」
「りんご、キウイフルーツ、もも」 「果実類」、「果汁」
例外規定表示 理由
「たん白加水分解物(魚介類)」、「魚醤(魚介類)」、「魚肉す
り身(魚介類)」、「魚油(魚介類)」「魚介エキス(魚介類)」
網で無分別に捕獲したものをそのまま原材料として用いること
から、どの種類の魚介類が入っているか把握できません。
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...11
参考:代わりの表記について
【表示が勧められている品目(特定原材料に準ずるもの)】
(*1)特定原材料等の名称を含む場合も、拡大表記となる。
  (例)卵黄、卵白、小麦粉、そば粉、乳糖、いかフライ、オレンジジュース、大豆油、バナナジュース、板ゼラチン、粉ゼラチン
【必ず表示される品目(特定原材料)】
卵 たまご、鶏卵、あひる卵、うずら卵、
タマゴ、玉子、エッグ
マヨネーズ、オムレツ、目玉焼、
かに玉、親子丼、オムライス
温泉玉子、厚焼きたまご からしマヨネーズ、チーズオムレ

小麦
落花生
こむぎ、コムギ パン、うどん 小麦粉 クリームパン、焼きうどん
そば ソバ そば粉、そば饅頭

あわび
いか
いくら
オレンジ
キウイフルーツ
牛肉
くるみ
さけ
さば
大豆
鶏肉
バナナ
豚肉
まつたけ
もも
やまいも
りんご
ゼラチン
アワビ
イカ
クルミ クルミパン、クルミケーキ
牛、ぎゅうにく、牛にく、ぎゅう肉、ビーフ
鮭、サケ、サーモン、しゃけ、シャケ 鮭フレーク、スモークサーモン、紅しゃけ、焼鮭
牛すじ、牛脂、ビーフコロッケ
キウイジャム、キウイソース
イクラ、スジコ、すじこ
鯖、サバ
だいず、ダイズ 醤油、味噌、豆腐、油揚げ、厚揚げ、豆乳、納豆 だいず煮、ダイズたんぱく、だいず油、脱脂だいず 麻婆豆腐、納豆巻き、豆乳ケーキ、豆腐ハンバーグ、凍豆腐、いり豆腐
焼き鳥、ローストチキン、鶏レバー、チキンブイヨン、鶏ガラスープ
ポークウインナー、豚生姜焼、豚ミンチ
モモ果汁、桜桃、白桃、ピーチペースト、桃缶詰
アップルパイ、リンゴ酢、焼きリンゴ、リンゴ飴
とりにく、とり肉、鳥肉、鶏、鳥、とり、チキン
ばなな
ぶたにく、豚にく、ぶた肉、豚、ポーク
松茸、マツタケ 焼松茸
桃、モモ、ピーチ
ヤマイモ、山芋、山いも
リンゴ、アップル
サバ節、鯖寿司
イクラ醤油漬け、塩すじこ
するめ、スルメ
とんかつ、トンカツ
とろろ、ながいも 千切り山いも とろろ汁
イカフライ、イカ墨
煮あわび
えび
かに
乳等省令の「乳」および「乳製品」の種
類別名称
生乳、牛乳、特別牛乳、成分調整牛乳、
低脂肪牛乳、無脂肪牛乳、加工乳、ク
リーム(乳製品)、バター、バターオイ
ル、チーズ、濃縮ホエイ(乳製品)アイ
スクリーム類、濃縮乳、脱脂濃縮乳、
無糖れん乳、無糖脱脂れん乳、加糖れ
ん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂
粉乳、クリームパウダー(乳製品)、ホ
エイパウダー(乳製品)、タンパク質
濃縮ホエイパウダー(乳製品)、バタ
ーミルクパウダー、加糖粉乳、調製粉
乳、はっ酵乳、乳酸菌飲料、乳飲料
生クリーム、ヨーグルト、ア
イスミルク、ラクトアイス、
ミルク
アイスクリーム、レーズン
バター、バターソース、ガー
リックバター、カマンベー
ルチーズ、プロセスチーズ、
パルメザンチーズ、コーヒ
ー牛乳、牛乳がゆ
フルーツヨーグルト、ミル
クパン
表示されるアレルギー物質には、
別の書き方も認められています。
アレルギー物質が含まれていることが明白
なときには、アレルギー物質名表記をしな
くてもよいことになっています。
代替表記および特定加工食品の名称を含んでいるため、アレル
ギー物質名表記をしなくてもよいことになっています。
代替表記 特定加工食品(表記) 拡大表記(表記例)*1
代替表記より 特定加工食品より
代替表記 特定加工食品(表記) 拡大表記(表記例)*1
代替表記より 特定加工食品より
ピーナッツ
エビ、海老
カニ、蟹
ピーナッツバター
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...12
(7)省略規定について
同じ特定原材料等を重複して使用する場合(代替表記、特定加工食品なども含む)には、重複して表示す
る必要はありません。
事例:洋菓子
特定原材料等をすべて表示した場合
※添加物、香料の表示方法(〜由来)についてはP13参照
(8)乳、乳製品の表記について
乳は乳等省令との関係から表示方法が複雑になっています。乳等省令で定義されている「乳」、「乳製
品」及び「乳又は乳製品を主原料とする食品」の他に、乳等を(微量であっても)原料として使用している
食品があります。
乳・乳製品・乳成分の表記の使い分けについては、以下の点に注意します。
? 乳等省令に規定されている原材料(「生山羊乳」、「殺菌山羊乳」及び「生めん羊乳」を除く)
を使用する場合
? 乳を含む食品を複合原材料として使用する場合
? 乳又は乳製品を原料とする食品を原材料として使用する場合
<乳、乳製品などの表記事項>
? 乳等省令に規定されている原材料(「生山羊乳」、「殺菌山羊乳」及び「生めん羊乳」を除く)を使用
する場合
乳等省令の表記が特定原材料「乳」の代替表記となりますが、代替表記とならないものが以下の5種類あ
ります。
●クリーム ●濃縮ホエイ ●クリームパウダー ●ホエイパウダー ●たんぱく質濃縮ホエイパウダー
これらについては、「クリーム(乳製品)」「クリームパウダー(乳製品)」のように表記します。
原材料:小麦粉、砂糖、植物油脂(パーム油、大豆油)、鶏卵、アーモンド、マーガリン(パーム
油、大豆油、豚脂、食塩、脱脂粉乳…)、異性化液糖、脱脂粉乳、洋酒、でんぷん(小麦)、ソル
ビトール、膨張剤、香料(乳及び卵由来の香料)、乳化剤(植物レシチン:大豆由来)、着色料、
酸化防止剤(ビタミンE、ビタミンC)
小麦粉、砂糖、植物油脂( 大豆油を含
む)、鶏卵、アーモンド、マーガリン(大
豆油・豚脂・脱脂粉乳を含む)、異性化液
糖、脱脂粉乳、洋酒、でんぷん(小麦)、
ソルビトール、膨張剤、香料(乳及び卵
由来)、乳化剤(植物レシチン:大豆由
来)、着色料、酸化防止剤(ビタミンE、
ビタミンC)
小麦粉、砂糖、植物油脂(大豆油を含
む)、鶏卵、アーモンド、マーガリン(
豚脂を含む)、異性化液糖、脱脂粉乳、
洋酒、でんぷん、ソルビトール、膨張
剤、香料、乳化剤、着色料、酸化防止剤
(ビタミンE、ビタミンC)
特定原材料等の省略規定を利用した場合
(個別表示)
・マーガリンの大豆油は植物油脂の大豆油で記載済み
・マーガリンの脱脂粉乳も原材料の脱脂粉乳で記載済み
・でんぷんの小麦はすでに小麦粉で記載済み
・香料の乳、卵は脱脂粉乳、鶏卵で記載済み
・乳化剤の大豆は植物油脂の大豆油で記載済み
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...13
? 「乳」を含む食品を複合原材料として使用する場合
(乳についての解説)
・カスタードクリームの原材料は、全粉乳、卵、砂糖、小麦粉などからなっている
・カゼインナトリウムは乳からつくられている
個別で表示する場合
一括で表示する場合
? 乳又は乳製品を原料とする食品を原材料として使用する場合
<粉末チーズを配合した香料を使用した場合>
この場合、以下の3つ表記が可能です。
●香料(乳由来) ●香料(乳成分を含む) ●原材料の一部に乳成分を含む
チーズは本来乳製品ですが、チーズの状態で製品に存在するわけではないので「乳成分」の表記が望まし
いと考えられます。*香料についてはP16参照
「乳化剤は乳ではない、乳酸は乳ではない」
乳化:牛乳のように油と水が均一にまじりあっている状態
乳酸:最初に発見されたとき牛乳から見つかった「酸」だから
(9)食品添加物の表示
? 表記法について
添加物が特定原材料等に由来する場合は従来からの表示に加え、添加物名に続けて(〜由来)と表記する
のが原則です。また、同じ添加物でも原料・製法の違いにより、特定原材料等由来の添加物と特定原材料等
由来でない添加物があり、食品を製造する現場ではこれらの添加物を併用することもあります。このような
場合、特定原材料等由来の割合が微少であれば(〜を含む)と表示することが一般的です。
用途名を併記する場合や、複数の特定原材料等よりできている添加物を表示する場合ですが、「二重カ
ッコ」「,」「・」の混在することから、分かりづらくなっています。このため、用途名を併記する場合に
は、物質名のあとは「:」で、また、特定原材料等が2つ以上になる場合には、特定原材料等の間を「・」で
事例;菓子パン
原材料名:カスタードクリーム、小麦粉、糖類、卵、………、イースト、乳化剤、カゼインナトリウム
名称:菓子パン
原材料名:カスタードクリーム(乳成分を含む)、小麦粉、糖類、………、卵、イースト、乳化剤、カゼインNa
名称:菓子パン
原材料名:カスタードクリーム、小麦粉、糖類、卵、イースト、乳化剤、カゼインNa、(原材料の一部に乳成分
を含む)
(解説)この表記例は、カスタードクリームの原材料である全粉乳を個別に表記しています。カゼインナトリウムは乳からつく
られていますが、カスタードクリームのなかに乳製品として前出しているため省略しています。(省略規定→P12参照)
(解説)この表記例は全粉乳やカゼインナトリウムを乳成分として一括に表記しています。
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...14
つなぐ表記する方法が考えられました。用途名を併記する場合の表示例は次のとおりです。
添加物を加工食品において表示する場合のルールとして
(ア)添加物を含む旨の表示については、加工助剤又はキャリーオーバーに該当すれば省略することがで
きますが、アレルギー表示は必要です。
(イ)集合化して一括名で表示できる添加物もありますが、アレルギー表示は必要です。
例)「グリセリン脂肪酸エステル」と「植物レシチン」をあわせて「乳化剤」と表示することで、
乳化剤(大豆由来)または乳化剤(大豆を含む)と記載できます。
(ウ)複合原材料の(…を含む)の表記と最後に一括して(原材料の一部に…を含む)とする表記を併用
することはできません。しかし、添加物の場合には、個別にその由来を表示できるため(…を含
む)の表記は、(原材料の一部に…を含む)とする表記と併用することができます。
(エ)JAS法においても、食品添加物は食品衛生法の記載方法に基づき記載することとされています。
? 食品添加物製剤
添加物や食品素材を配合したものを食品添加物製剤といいますが、これらに配合されている食品素材のな
かにも、特定原材料等が含まれる場合があるので、その場合には特定原材料等を表示する必要があります。
○…調味料製剤の場合
食品添加物における調味料とは、アミノ酸、核酸、有機酸、無機塩をさし、表示には、そのうち配合量
の多いものを代表として、「調味料(○○等)」と表記します。
例)L-グルタミン酸ナトリウム、グリシン、5’−リボヌクレオチド二ナトリウム、乳清ミネラル、
食品素材(小麦タンパク加水分解物、ゼラチン、乳糖、大豆油)の場合
(表示例1)調味料(アミノ酸等:乳成分を含む)、……、(原材料の一部に小麦、ゼラチン、大豆を含む)
乳清ミネラルが乳由来であるので、そのことを調味料のあとに表記し、食品素材に含まれる特定
原材料等の小麦等を、原材料欄の最後にまとめ書きしたもの。
(表示例2)調味料(アミノ酸等)、……、(原材料の一部に乳成分、小麦、ゼラチン、大豆を含む)
調味料製剤に含まれる全ての特定原材料等を原材料欄の最後にまとめ書きしたもの。
? 食品添加物表示から食品への表示までの流れ
食パンを製造する際に下記の品質改良剤製剤を使用した場合の、食パンのアレルギー表示がどのようにな
るか、例を示します。
<食品添加物製品表示例>
食品添加物 [商品名] パン用品質改良剤製剤
成分・重量%
グリセリン脂肪酸エステル(*1) ……………………………………………… 20%
植物レシチン(大豆由来) ……………………………………………………… 1%
L-アスコルビン酸 ……………………………………………………………… 2%
カゼインナトリウム(乳由来)(*2) …………………………………………… 4%
グルテン(小麦*3を含む) ……………………………………………………… 73%
製造者:東京都中央区○○町1-3-5 日本△■○添加物株式会社
食品への食品添加物表示例(*4)
乳化剤(大豆由来)、カゼインNa(乳由来)、ビタミンC、(原材料の一部に小麦を含む)
ア…添加物が1種類の特定原材料よりできている場合
用途名(物質名:○○由来)、又は
用途名(物質名:○○を含む)
例)保存料(しらこたん白:さけ由来)
保存料(しらこたん白:さけを含む)
イ…添加物が2種類の特定原材料等よりできている場合
用途名(物質名:○○・△△由来)、又は
用途名(物質名:○○・△△を含む)
例)安定剤(ペクチン:りんご・オレンジ由来)
安定剤(ペクチン:りんご・オレンジを含む)
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...15
*2 キャリーオーバーに該当しますが、アレルギー表示が必要です
*1 蒸留品を使用した場合の例
*3 食品素材に該当するがアレルギー表示が必要です
*4「乳化剤(大豆由来)、ビタミンC、(原材料の一部に乳成分、小麦を含む)」又は、「乳化
剤、ビタミンC、(原材料の一部に大豆、乳成分、小麦を含む)」と表示することもで
きます。
<表示例1>
*カゼインNaはキャリーオーバーに該当するため表記する必
要はありませんが、特定原材料の「乳」由来であるためアレ
ルギー表示を必要とします。グルテンのアレルギー表示は、
原材料に小麦粉が使用され、特定加工食品として表示してい
るので、重複するため表記されていません。
<表示例2>
*カゼインNaはキャリーオーバーに該当するため、表記の必
要はありませんが、特定原材料の「乳」由来であるためアレル
ギー表示が必要です。そのため、最後に括弧(かっこ)書き
で表記しています。グルテンについては、表示例1を参照し
てください。
<表示例3>
*カゼインNaはキャリーオーバーに該当するため、表記の必
要はありませんが、特定原材料の「乳」由来であるためアレル
ギー表示が必要です。乳化剤の「大豆」も、原材料全体の最
後に一括して表記しています。グルテンについては<表示例
1>を参照してください。
配合組成及び原材料名表示(例)
小麦粉、砂糖、ショートニング、食塩、イ
ースト、乳化剤(大豆由来)、イーストフー
ド、カゼインNa(乳由来)、ビタミンC
小麦粉、砂糖、ショートニング、食塩、イ
ースト、乳化剤(大豆由来)、イーストフー
ド、ビタミンC、(原材料の一部に乳成分を
含む)
小麦粉、砂糖、ショートニング、食塩、イ
ースト、乳化剤、イーストフード、ビタミ
ンC、(原材料に一部に大豆、乳成分を含む)
原材料名 配合量(%) 原材料名表示(例) 備考
小麦粉
砂糖
ショートニング(パーム油原料)
食塩
小麦粉
パン用品質改良剤製剤
グリセリン脂肪酸エステル(蒸留品)
植物レシチン(大豆由来)
L−アスコルビン酸
カゼインナトリウム(乳由来)
食品素材(小麦グルテン*、コーンデキストリン)
イーストフード
小麦粉
砂糖
ショートニング
食塩
イースト
乳化剤
乳化剤(大豆由来)
ビタミンC
 カゼインNa(乳由来)又は(原
材料の一部に乳成分を含む)
イーストフード
キャリーオーバーに該当す
るがアレルギー表示が必要
*小麦粉と重複
(詳細組成省略)
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...16
(10)香料の表示
香料も特定原材料由来たんぱく質を含むと考えられる次の?〜?については、アレルギー表示が必要で
す。P17「(11)微量の取り扱いについて」で示す基準に基づいて判断してください。
? 香料主剤であっても特定原材料等がそのまま使用されているもの
香料製品に特定原材料等及び/又は特定加工食品そのものが含まれている場合。
例:バレンシアオレンジ果汁、りんご果汁、加糖練乳、落花生などを配合した香料製剤
? 特定原材料由来の香料主剤で蒸留工程等精製工程を経ないもの
特定原材料等由来の香料製品で蒸留工程等精製工程を経ない場合、及びこれらを製品の一部として含
む場合。
例:蒸留により香気成分を分離していない酵素処理乳加工品など
? 特定原材料等あるいはその由来物を副剤として使用しているもの
香料製剤に用いた副剤に未精製グリセリン脂肪酸エステル(大豆由来)、デキストリン(小麦由来)、未精
製落花生油等を用いた場合。
<香料表示から食品への表示までの流れ>
? 処方
香料処方例:クリームフレーバーXYZ
製法:水を加え乳化後、噴霧乾燥。
*1:無塩バターあるいは生乳原料を特定原材料
等25品目以外に由来する酵素で処理した
もの。
*2:落花生油はたんぱく質を含むものを使用。
? 香料製品表示 <香料製剤表示例>
食品添加物  香料製剤
クリームフレーバーXYZ
成分及び重量%
香料ベース(合成香料を含む、乳成分由来)…50%
抽出トコフェロール(大豆、落花生由来)…1%
デキストリン(小麦)…49%
食品への食品添加物表示例
香料(乳成分由来)、(原材料の一部に小麦、大豆、落花生を含む)
あるいは
香料、(原材料の一部に乳成分、小麦、大豆、落花生を含む)
使用基準:本品は着香の目的以外には使用できません。
製造者:日本■▲◎株式会社  住所:東京都台東区△△3-2-2
(*1)クリームフレーバーA(酵素処理)…30% ………………… 主剤
ミルクフレーバーB(合成香料) ………20% ………………… 主剤
デキストリン(小麦原料) ………………49% ………………… 副剤
未精製トコフェロール……………………1% ………………… 副剤
(大豆由来、落花生油(*2)希釈)
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...17
? 食品への表示
ア. 特定原材料等が香料のみからくる場合
a) ̶̶剤、香料、̶̶剤、(原材料の一部に乳成分、小麦、大豆、落花生を含む)
b) ̶̶剤、香料(乳成分由来)、̶̶剤、(原材料の一部に小麦、大豆、落花生由来原材料を含む)
イ. 特定原材料等が香料以外の原材料(添加物を含む)からもくる場合
a) ̶̶剤、香料、̶̶剤、(原材料の一部に○○、△△、乳成分、小麦、大豆、落花生を含む)
b) ̶̶剤(○○由来)、香料(乳成分由来)、̶̶剤(△△由来)、(原材料の一部に小麦、大豆、落花生を含む)
*原材料の個別表示と一括表示は併用できませんが、原材料の一括表記と食品添加物の個別表記は併用できます。
ミルクキャラメル製造にクリームフレーバーXYZを使用した場合のキャラメルの表示(配合組成及び原材
料名表示の例)
表示例1
表示例2
(11)微量の取り扱いについて
? アレルギー反応を誘発するアレルギー物質量
食物アレルギーは、人により、ごく微量のアレルギー物質(たんぱく質)によっても発症します。そのた
め、その含有量にかかわらず特定原材料等を含む旨の表示が必要です。ただし最終加工品における特定原材
料等の総タンパク質量が数μg/mlの濃度レベル又は数μg/g含有レベルに満たない場合はアレルギー症
状を誘発する可能性が極めて低いため、表示を省略することができるとされています。
最終加工品における量についてはあくまでも最終加工品で判断してください。原材料からの情報を収集
し、含有量を計算してください。
? 微生物に由来する酵素製品の特定原材料等
加工食品を製造する場合、酵素による処理を行うことが少なくありません。
例えば、果実・野菜よりジュースを製造する場合、搾汁後にペクチナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ
原材料名 配 合量(%) 表示原材料名 備考
加糖練乳
水あめ
砂糖
ココナッツ油
無塩バター

クリーム
フレーバー
植物レシチン
加糖練乳
水あめ
砂糖
植物油脂
バター

香料
乳化剤
40.0
35.0
19.6
3.0
2.0
0.25
0.1
0.05
原料:とうもろこし
原材料の一部に
乳成分、小麦、
落花生、大豆を含む
大豆由来
加糖練乳、水あめ、砂糖、植物油脂、バ
ター、食塩、香料、乳化剤(大豆由来)、
(原材料の一部に小麦、落花生を含む)
加糖練乳、水あめ、砂糖、植物油脂、バ
ター、食塩、香料、乳化剤、(原材料の
一部に大豆、小麦、落花生を含む)
香料主剤:香料の機能を構成する成分本体を言う。
香料の副剤:主剤以外に使用した食品添加物及び食品(加工された食品を含む)をいう。
単位:1μg/ml,1μg/g=1ppm=1mg/l,1mg/kg
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...18
等による酵素処理を行います。これらの酵素には微生物に由来するものがあり、この微生物を培養する際に
培地を使用します。これら培地には特定原材料等を使用する場合が多くみられます。
培地に使用される特定原材料等としては、小麦、乳、大豆の加工品が主としてあります。これらの培地成
分は培養中に微生物により分解されて栄養源となり、さらに製造の下流工程で抽出、ろ過、遠心分離、限外
ろ過、エタノール沈殿等の方法で精製除去されます。
実際に、各種酵素製品中に残存している特定原材料の濃度を推奨された分析法で測定した結果、表示が必
要とされる数μg/gを超えるものは認められませんでした。そのため、食品加工に使用される酵素の添加量
は微量であることとあわせて、培地成分として使用された特定原材料等は、最終加工食品でアレルギー表示
をする必要性は少ないと考えられますが、表示するかどうかは各々で個別に判断してください。
? 酵素が使用される加工食品と培地に使用される特定原材料等
(12)乳糖の表記について
乳糖は、高度に精製されたものでも約0.3%前後のたんぱく質が残存することが分かっています。このた
め、最終商品での残存タンパク量について「(11)微量の取り扱いについて」で示した基準を準用します。
なお、乳糖には「乳」の文字が含まれているため、代替表記として認められています。
(13)コンタミネーションへの対応
食品を製造する際に、原材料としては使用していないにもかかわらず、特定原材料等が意図せずして最終
加工食品に混入(コンタミネーション)してしまう場合があります。
例えば、ある特定原材料Aを用いて食品Bを製造した製造ライン(機械・器具等)を用いて、次に特定原
材料Aを使用しない別の食品Cを製造する場合、製造ラインを洗浄したにもかかわらず、その特定原材料Aが
混入してしまう場合などです。必ず混入するということであれば、食品Cは特定原材料Aを使用していると考
え、特定原材料Aについてアレルギー表示が必要です。しかし、混入する場合としない場合があるときには、
コンタミネーションへの対応が必要となります。
食物アレルギーはごく微量のアレルギー物質によっても発症することがありますので、コンタミネーショ
ンの防止策を講じる必要があります。コンタミネーションの防止策としては、製造ラインを十分に洗浄す
る、特定原材料及び特定原材料に準じるものを含まない食品から順に製造する、可能な限り専用器具を使
用することなどです。そして、生産ラインにおいてどのような原材料を用いた食品を製造しているのか管理
し、必要に応じて食物アレルギー患者に情報提供できる体制を整えることが大事です。
コンタミネーション防止策の徹底を図ってもコンタミネーションの可能性を排除できない場合には、注意
鰹エキス、肉エキス
醤油、味噌
パン
チーズ
オリゴ糖
砂糖
ジュース
柑橘果物缶詰
茶、ウーロン茶、紅茶
食酢
植物油
カマボコ、豆腐、麺
プロテアーゼ
グルタミナーゼ
ヘミセルラーゼ
レンネット
マルトトリオヒドラーゼ
デキストラナーゼ
ペクチナーゼ
ヘスペリジナーゼ
アミラーゼ
アミラーゼ
ホスホリパーゼ
トランスグルタミナーゼ
小麦、大豆、乳
乳、大豆
大豆
小麦
乳、大豆、小麦

小麦、大豆
小麦
小麦、大豆
乳、大豆


加工食品例 使用されたことがある
酸素例
培地に使用される
特定原材料等例
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...19
喚起表示によって注意を促します。しかし、この場合「入っているかもしれません」「入っている場合があ
ります」などの(可能性表示)は、たとえ原材料表示欄外であっても認められていません。
なお、水産加工品には、様々な段階でえび、かにが混入することが考えられますが、原材料中のえび、か
にの混入頻度と混入量が少ないものについては、患者の食品選択の幅を過度に狭める結果になることから、
注意喚起表示の必要はないものと考えています。ただし、えび、かにの混入頻度や混入量が高い場合には、
注意喚起表示を行ってください。
<コンタミネーションの事例>
例1)落花生入りのチョコレートを製造した後、プレーンのチョコレートを製造した場合、油脂
分の多いチョコレートは水でラインを洗浄せずにチョコレートで製造ラインを洗浄します
(共洗い)。しかし落花生の油脂分を除去することは難しく、ライン切替後もしばらく、
ごく微量ですが、プレーンチョコレートに落花生の油脂分が混入することになります(時
間とともにその混入は減少)。ただし、常に数μg/g以上ある場合には、アレルギー表示
が必要です。
注意喚起表示例:「本製品の製造ラインでは、落花生を使用した製品も製造しています。」
例2)米国のミシシッピー流域は大豆・とうもろこし・小麦などの大穀倉地帯で、その輸送には
川が利用されています。穀物サイロ、はしけなどは共用されているため、とうもろこしに
は大豆や小麦が意図せずに混入してしまいます。その結果、このとうもろこしを使用して
コーンフレークなどを製造した場合には、大豆や小麦が混入していることになります。
注意喚起表示例:「とうもろこしの輸送設備等は大豆、小麦の輸送にも使用しています。」
<コンタミネーションの事例(水産加工品)>
例3)アサリやハマグリなどの二枚貝には、小さいカクレガニが共生していることがあります。
このアサリやハマグリの身の中にカクレガニが入り込んでいるため、加工工程などで確実
に除去することは困難であり、最終製品にそのまま混入することがあります。
注意喚起表示例:「本製品で使用しているアサリなどの二枚貝には、かにが共生しています。」
例4)魚のすり身などには、様々な段階でえび・かにが混入することが考えられますが、原材料
中のえび、かにの混入頻度と混入量が低いものについては、患者の食品選択の幅を過度に
狭める結果になることから、注意喚起表示の必要はないものと考えます。
なお、えび・かにの混入頻度や混入量が多いと考えられる場合には、次の例を参考に注
意喚起表示を作成してください。
注意喚起表示例:「本製品で使用している○○○は、えびを食べています。」
例5)しらすやちりめんじゃこのようないわしの稚魚は網を用いて捕獲されますが、その際にえ
び・かにが混獲されることがあります。これらは加工工程で確実に除去することが困難で
あり、最終製品にそのまま混入することがあります。
注意喚起表示例:「本製品で使用している○○○は、かにが混ざる漁法で捕獲しています。」
【まとめ】
a) 必ず混入する場合には、通常のアレルギー表示を行う。
b) コンタミネーションの可能性を排除できない場合には、注意喚起表示を行う。
c) bの場合であっても、混入の頻度と量が少なく、混入が原因で食物アレルギーの発症例がほとん
どない場合には、表示を行う必要がない。
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...20
3:表示の作成
(1)原材料表示のステップ
実際に冷凍食品「コロッケ」を例にして、原材料等の調査結果から表示を作成してみましょう。
? 製品の原材料詳細を確認します。
チェックポイント:原材料の特定、原材料等表示内容の確認、複合原材料の詳細チェック、食品添加物
の内容確認 
ア. 商品開発部門から上がってきた「コロッケ」のレシピを確認する。
●配合量の多い順番に原材料を並べて表を作成します。
●各々の原材料を、原料メーカーから入手した仕様書などを参考に、複合原材料を抜出します。
●今回の例示である「コロッケ」では、衣と具を別々に食べることはないので、〈具材〉〈衣〉と分けて表示
することはほとんどありませんが、「インスタントスープ」などでは、具とスープを分けて食べる場合もあ
るため、原材料表示を〈具〉原材料、〈スープ〉原材料と分けて記載することが多いです。
イ. 複合原材料に含まれる原材料の展開表を単体の原材料になるまで展開してみる。
事例:パン粉
原材料名
ばれいしょ
パン粉
なたね油
牛肉
たまねぎ
砂糖
小麦粉
みりん
しょうゆ
粒状植物性たんぱく
マーガリン
植物油脂
コーンスターチ
脱脂粉乳
牛脂
食塩
粉末状植物性たんぱく
卵白
白こしょう
具材

名称より判断できる特定原材料名
小麦
牛肉
小麦
大豆

牛肉




複合原材料

配合比
38.7
17.5
10.5
9.9
9.2
2.9
2.4
1.6
1.5
1.2
1.0
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
複合原材料
パン粉
名称より判断できる特定原材料名
小麦
豚*
牛**
(大豆)
(大豆)
(大豆)
小麦
配合比
83.3
4.4
1.8
2.7
5.1
1.8
0.6
0.1
0.2
配合比

48.6
28.2
13.2
8.7
1.0
0.3
55.0
1.5
43.5
55.0
25.0
20.0
一次展開
小麦粉
コーンファイバー
イースト
ショートニング
砂糖
食塩
ブドウ糖
トウガラシ
色素製剤
イーストフード
二次展開
小麦
とうもろこし
パーム油
なたね油
豚脂
牛脂
グリセリン脂肪酸エステル
ミックストコフェロール
トウガラシ色素
ショ糖脂肪酸エステル
なたね油
小麦デキストリン
塩化アンモニウム
乳酸カルシウム
アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...21
*豚がアレルギー表示の対象となるかどうかを判断します。
日本食品標準成分表より豚脂に含まれるたんぱく質の量は0.0%。
⇒ 豚脂由来の豚肉たんぱくは、ごく微量のため表示を省略できます。
**牛がアレルギー表示の対象となるかどうかを判断します。
(コロッケに占めるパン粉の配合比)×(パン粉に占めるショートニングの配合比)×(ショートニング
に占める牛脂の配合比)→コロッケ中の牛脂の量:約400ppm
日本食品標準成分表より牛脂に含まれるたんぱく質の量は、0.2%なので牛脂由来の牛肉たんぱくは、
0.8ppmと計算できます。⇒牛脂由来の牛肉たんぱくは数ppm未満であることにより、表示を省略できま
す。
(大豆):グリセリン脂肪酸エステル、ミックストコフェロール、ショ糖脂肪酸エステルの商品仕様書より
大豆が含まれているかどうかを確認します。
●「パン粉」の事例にならい、各々の複合原材料を単一原材料にまで展開してみます。その場合、原材料納入先より最
新の商品仕様書を取寄せ、表にまとめます。
●天然原材料などの場合は、日本食品標準成分表を利用して、総たんぱく量を求めます。
? アレルギー表示が必要となる原材料を確認する。
 チェックポイント:食品原料の内容確認、原材料の配合量の確認
ア. 食品原料を仕様書から確認する。
名称より単体原材料のようにみえるものもあるため、注意が必要です。
イ. 各原材料に含まれる特定原材料等をまとめてみる。
食品原料
粒状植物性たんぱく
卵白
白こしょう
展開
脱脂大豆
粉末状大豆たんぱく
小麦グルテン
大豆油
カラメル色素
卵白(鶏卵)
クエン酸
白こしょう
小麦粉
コメント
粒状化するのに、小麦グルテンや色
素を添加して製造している。
小麦が入っていることに注意を要す
る。
クエン酸を用いることにより、制菌
効果を持たせている。
小麦粉を配合することで、辛さの調
節を行っている。また、商品によっ
ては卵殻を使用している場合もある
ので注意を要する。とくに未焼成の
場合、アレルゲン性を有する場合が
ある。
原材料名
ばれいしょ
パン粉
なたね油
牛肉
たまねぎ
砂糖
小麦粉
みりん
しょうゆ
粒状植物性たんぱく
マーガリン
植物油脂(なたね硬化)
コーンスターチ
脱脂粉乳
牛脂
食塩
粉末状植物性たんぱく
卵白
白こしょう
名称より明らかなもの
小麦
牛肉
小麦
大豆

牛肉

複合原材料に隠れているもの
大豆・牛脂・豚脂
小麦
大豆、小麦
大豆、牛脂、豚脂
大豆
大豆
小麦
複合原材料









アレルギー物質を含む加工食品の表示ハンドブック
(平成21年3月改訂版)
page...22
ウ. 各々の原材料から、特定原材料等の配合量を各々合算してみる。
●最終製品における特定原材料等の量を把握します。最終製品に記載すべき特定原材料等の基準量は、数ppm(数
μg/gまたは数μg/ml)です。
●今回の事例の場合、複合原材料に含まれる、小麦、大豆、乳、卵、牛脂については、単一原材料にも使用されてい
るので、表示の要否はその合算量として判断されます。
●パン粉、マーガリンに含まれる豚脂は、豚脂に含まれるたんぱく質が、数ppm未満と判断できるため、「豚肉」の
アレルギー表示は省略できます。
? 製造方法に対し、特定原材料等の調査をします。
チェックポイント:加工助剤、キャリーオーバーの確認、工程でのコンタミネーションの可能性の確
認、精製工程による特定原材料由来たんぱく質の消長
●各々の製造ラインの十分な洗浄、製造順の考慮(一日のうち、あるいは週単位で特定原材料等を含まない製品から含
む製品へとラインを切替えます)、専用器具使用など、混入を防止することに努めます。
●特に、粉体原料は、飛散による混入の可能性があります。計量や混合場所は、ゾーニングや圧力調節を考慮したりす
ることで極力防止に努めます。
●徹底した
○豆アレルギーについて

あまり、知られていませんが
畑の蛋白質という」名誉あるあだ名の付いた 
「大豆」
20150406-p4060010.jpg
20150406-p4060011.jpg
20150406-p4060012.jpg

下手な絵ですが=玄米の「青い被膜」の部分に「フィチン酸」という毒性物質が有ります=実際には茶色の被膜です

昔に診た患者で、ビールと枝豆を食べると、みんな「下痢」をするのが普通ではないのですか?
という女性が居ました。

いいえ、普通では有りません=豆にアレルギーを持つ方だけなのです。
たいていの人は、枝豆を食べても「下痢」はしませんよ。



 大豆は厚生労働省

指定アレルギー食品の一つであることを知っていますか?

これは、ほんのごく一部の人だけにある、アレルギーです
豆アレルギーの人には
全ての
「豆」
に対して起きるようです

まず
「豆」に対して説明しましょう
「タネ」も「豆」も同じものです
つまり

「豆」も「タネ」の部類であることを理解してください
分かりやすく言うと云うと「ゴマ」も「タネ」です

エンドウ、ソラマメ、ピーナッツ、マカダミアナッツ、そして、スイカの種もリンゴの種も、梅干しの種も全てが「同類の種」です

つまり、これらの「タネ=豆」を植えると「芽」が出て、「木」や「草」が生えてきます

一部の種や豆には「煮る」と毒性が薄れるモノも有ります
また、「煮ても」毒が消えないものも有ります

中でも「ピーナッツ」の毒性は有名です

20150406-p4060001.jpg

美味しそうな「蕎麦」ですが
蕎麦にアレルギーを持つ人には「致命的」な毒です


ピーナッツと蕎麦=ソバは、特にアナフラキシーシックで「死に至る」毒があるので
厚生労働省は、特に毒性の強いものとして「指定食品」にしています

そもそも、われわれは、アレルギーとは、「じんましん」程度の知識しかないのが普通だと思います

アレルギーが問題になったのは
小学校の給食で
「そば」が出たのを、担任の教師が「好き嫌いは良くないから、嫌いでも全部食べなさい」と言って
「そばアレルギー」の二人の女子児童に食べさせた結果

暫らくして、
「アナフィラキシーショック」を起こして、意識不明となり、救急車で病院に搬送されたものの、二人とも死亡に至った
という事件、がキッカケでした=子供の好き嫌いには、重大な問題があるのです、決してね無理に食べさせないでください。

学校長は両親からこの子たちは「そばアレルギー」が有るから、食べさせないように、という「医師の診断書」を提出していたのですが、担当の教師に、その連絡がされていなかったのが不幸の原因だったのです
その後、二人の子供を亡くした両親は、国と厚生省、学校を相手に「訴訟」を起こしたのです

国はこの問題を重く見て国民全体の
「アレルギー」
の実態調査をした結果が


現在の食品のアレルギーへの「注意勧告」になったのです
時は「昭和の三代アレルギー食品時代」でした

このアレルギーの食品への注意は現代にも引き継がれています
現代では

「卵、乳、小麦。エビ、カニ」
の五種類に増えました。


○豆の毒性について
前回の「整体日誌」記事を流用します

=草花や樹木に成る「種」や「豆=も、種の一種」には全て動物に消化されないように皮膜や内部の成分に「毒性」が有ります

もも、リンゴ、なし、などの未果実の未成熟な゜実には「青酸配糖体」という毒性分が有ります

だから、未成熟な実は鳥も虫も食べないのです
その未成熟な実は紫外線に当たると「青酸配糖体」という毒性分は「果糖」に変化します

すると
かぐわしい、「かおり」を放つようになります
そのかぐわしい香りを嗅ぎつけて、鳥や、ケモノが「実」を食べるのです

○「米」について」

20150406-p4060002.jpg

下手な絵ですが=玄米の絵の部分「青ク書いてある被膜」の部分に「フィチン酸」という毒性物質が有ります=実際には「茶色の被膜」です


米をはじめ、穀物や「タネ」の外核膜部分には「フィチンサン」という化学物質で コーティングされて 消化から実や種を守ります

消化されてしまうと、「米」や「草」の試品が絶滅してしまうのです=地球上の「酸素」は「植物」が作っているのです。

この穀物の皮膜にコーティングされた「フィチンサン」という毒は

? カルシウムと結合する、
? 鉄分と結合する
? 体内のミネラルと化学的な結合をして便として排出する


等の問題があり、
「玄米を食べると フィチンサンの化学的な結合で 体内の鉄分が奪われて 貧血になる
穀物の皮膜に含まれるフィチンサンはカルシウムと強い化学結合をするために骨がもろくなる=骨粗ショウ症になる」

等の病変が半年ほどで現れて来ます
妊婦には「玄米」を決して出させてはいけない。
というのは栄養学の最初に倣うのです=カルシウムの欠損症から、未成熟時児が生まれる危険があるからです。

種や種となる豆類の全てに このような「毒性」が有ります

ですから 厚生省は大豆や 種類 豆類を アレルギー食品として 指定しています
余りにも 健康被害が多いため 保険の国庫負担が大きいからなのです→特に幼い免疫の弱い幼児が深刻な被害にあっています
赤ちゃんを持つ母親は、この食物アレルギーに大変な努力をして子供の健康に気を使います

○「食用油について」
「食用油」はほとんどが植物油です つまり毒性」の高い「植物の種」から絞ったものが 「植物油」なのです

都合良く毒性だけを精製する技術は20世紀の現代化学には、まだ存在しません、
ですから
「全ての植物油には毒性が有ります」→
肝臓、胆嚢の機能が弱い方は これらの植物油に対してアレルギー反応を起こします、
また、植物油の原料となる「種、豆類」も、同様に大腸の右側の回盲部に炎症を起こすのが特徴です

右側の腰に問題がある人は、この「胆嚢機能系」に弱点が有る人なのです

いつも、「右」の腰に痛みや違和感を覚える人は
揚げ物
油もの
炒め物
コロッケ
メンチ
天ぷら

等の「あぶらもの」を一か月ほど食べないで見て下さい

右の違和感や
、腰痛
坐骨神経痛

が改善するのが分かります。