大学のランナー

陸上部の方です
股関節が痛くなり、最近は走るのもままならない状態だそうです

整形では、「腸脛靭帯炎」の診断でした。

動作確認をしてみると
左の足が上がりません=鼠径部痛
左足の開脚もできません=鼡径靭帯の硬縮が原因でひざを開けない
股関節の腸脛靭帯部分が特に痛いそうです

膝を挙げて、走る恰好をしてもらうと、大変痛がります

これは「腰痛症」の特徴です
「腰椎症」にはいろいろあり、一般的な「腰痛」から、坐骨神経痛、股関節症、内臓障害まで、色々な障害が、「腰椎」の位置不全から腰神経叢の圧迫によって発症するのです

解剖学

腰椎は5個有ります

腰椎は横隔膜から下の「筋肉」と「内臓」を全て支配しています
(横隔膜は首=頸椎の支配域です)

腰椎の下には
仙骨が有り
その両脇に「腸骨」が有ります
仙骨と、腸骨で「骨盤環」を作っています
腸骨には、股関節が付いていて、大腿骨から下腿骨になって足首になります

つまり、上半身は、「仙骨」に支えられているわけです

神経支配
L−1=腸骨下腹神経、腸骨鼡径神経(股関節枝が出ています)
L−2=腰神経
L−3=閉鎖神経
L−4=大腿神経、上殿神経(股関節枝が出ています)
L−5=坐骨神経、下殿神経(股関節枝が出ています)
S=仙骨は5個の骨が融合したものですが、成人しても可動性が有り、仙骨神経叢は生殖器など大切な内臓を支配します=仙骨のトラブルは足指にも痛みを発生します=正しい立位の保持ができなくなります

以上、簡単な神経学ですが
これだけで、股関節は各「腰椎」の位置不全からの神経圧迫による症状なのです

従って、治療は、腰椎の矯正だけで、痛みは消失します
60才代、70代才、80才代は、治癒に時間が掛かります=問題が腰堆の問題だけでなく、複雑な原因の絡み合いからの発症だからです=もう一つの原因は、食餌を改善してもらえないということです。
(「整体日誌」の過去ログ=悪い食べ物を参照)

小学生から、20代はあっという間に改善します

若い人の、股関節症状は、実に簡単に治ります

先日
72才の股関節症=(変形性股関節症の診断)
の方を治療しましたが、「原因」は「乳アレルギーです
つまり
パンと牛乳、ヨーグルト

なのです


一週間、これらの食事制限をした頂くと、殆んど「痛み」はなくなりました

すると、違う症状が現われてきたのです

左の変形性股関節症の痛みが消失すると、極端に「左荷重」になり始めたのです
未だ、たったの一回で

こんなに左足に体重が乗る訳がないのです

さあ
「原因探し」です

有りました!

右足首の腓骨がくるぶしから約10Cm上で前方に曲がっているのです=
「腓骨前方変位」です

通常=腓骨は後方変位を起こします
機能的に「前方変位」は絶対と言っていいほど。起こり得ません

触診をすると「骨折痕」が残っています
分かりやすく言うと、完全な骨折では無く=いわゆる「若木骨折」と呼ばれる、「ヒビ」にまでも行かない、骨の骨折の「しそこね」です

良く、自動車事故でも、こういう方が居ます
レントゲンでは映らないのですが、骨繊維(骨には骨繊維が有ります)この骨繊維が骨の中で、一部分断裂を起こす状態なのです。
この場合は、「骨膜」に傷が残って、膜レベルでの潜在的な痛みを後遺症として残します。

これは、「膜」という「SOT」や、スティルの「オステオパシー」の「膜」の理論を学ばないと分からない、経験の少ない、整形外科には、全く理解できない知識レベルです



お話しをすると
山歩きが好きで、去年11月までは多い時は6日間くらい、縦走の「山のぼり」をしていたそうです

その、山登りで、転んで=滑落をしたそうです
その時に、ひどい「捻挫」をしたそうです

医者では、「骨折は無いから大丈夫」 と。言われたそうです

それからが、右足に荷重ができなくなり
左の股関節に、全荷重が乗ってしまった結果のたった一か月という短期間の
「変形性股関節症」
というわけです。

右足首の「腓骨」の骨折痕による、左の痛みが軽減すると、いきなり左に、全荷重が乗った「原因」なのです

「骨膜」への治療をすると、両足に体重が均等に載るようになり
まっすぐに歩けるようになりました

「おや、ずいぶん楽に歩けるねえ・・」

と言ってよろこんで頂きました。

72才で山の縦走という、年齢的には考えられないほどの運動をしていたので、骨密度も最高値です
これが、奇跡的な短時間の「治癒」をもたらしたものでしょう。

ところで陸上部は30分で治療完了です