アトピー性皮膚炎(内科学、アレルギー学)
概念
1993年WiseとSulzbergerは、アトピーの家族歴、乳児湿疹の既往、慢性、再発性の掻痒を伴う湿疹症状即時型皮膚反応陽性、血清中のレアギン(lge )の存在などを特徴とする疾患をアトピー性皮膚炎として(atopicdermatitis=AD)として提唱した、大多数のアトピー性皮膚炎の患者は血清Lgeが高値で、多数のアレルゲンに対しRAST陽性、皮膚反応(プリック反応)陽性を示す、また、しばしばアレルギー性鼻炎、気管支喘息などを合併する、(アトピー素因)本疾患は病因論的に多数の因子によって構成され、?型アレルギー、?型アレルギー、皮膚の細菌感染、自律神経の調節異常、情緒的な因子などが関与すると考えられている

疫学
わが国におけるアトピー性皮膚炎の罹患率は人口の3〜4%といわれ、多くは3ヶ月以後の乳幼児時期に発症し学童期までに自然軽快する、近年、患者数の増加が注目されている、約一割の症例は成人型の難治性アトピー性皮膚炎として残る、患者は特に食物抗原となるものを好み、さらに症状が悪化を呈する、抗原なる食物の制限で改善が起きるが、いまだに学校給食ではミルクが配布されているので改善は難しい(アメリカではミルクの給食が子供の発育に障害の原因となるとして数州で禁止が広がっている)

症候
激しい掻痒を伴う湿疹が頭部、顔面、体幹、四肢、とくに肘腋窩、膝窩に出現する、と
皮疹は、幼小児期、思春期、成人期、と症状は変化し、湿疹はいずれの時期も左右対称性に生じ、個々の患者に応じ、季節的に症状が変化する。
新生児、乳児期には湿疹も湿潤傾向の強い皮疹が主体で、一般的に生後二、三ヶ月より頭部、顔面に紅斑、糜爛、痂皮、を生じ、さらに軀幹、四肢にも紅斑、紅色丘疹がみられ、関節屈曲部には糜爛が顕著にみられる。幼小児期、学童期では湿潤病変が次第に減少し、乾燥状態を示すようになる。皮膚は全体に乾燥し、四肢近位側、軀幹では毛孔一致性角化性丘疹が多発し、粃糖様落屑が顕著となり、アトピー性皮膚という様相を呈してくる、逆に肘窩、膝膕、腋窩周囲、頸部は繰り返される掻爬のために表皮肥厚が目立ち、苔癬化してくる、その他、耳切れ、頬部白色粃糖疹、足底の乾燥性角化性病変であるズック靴皮膚炎もみられる。

多くの患者は皮脂分泌が盛んになる思春期から成人期にかけて皮疹は軽快する傾向にあるが、改善しない患者では乾燥化および、苔癬化がますます顕著になってくる、いったん軽快した皮疹が再燃する場合や思春期以降に皮疹が出現する場合もある、この時期の皮疹は特に頸部顔面、項頸部、胸背部などの上半身に強く認められる、これらの変化に加え、成人型ADの特徴として前額部、髪際部の苔癬化、又は浸潤性紅斑がある、顔面は紅潮し、眉毛外側2/1〜3/1が脱毛,疎毛化する(ヘルトゲ兆候)下眼瞼内眼角よりの皺壁(dennie-morgan兆候)、白色皮膚描記症(white-dermatog-raphism)、(頻度は25%程度)項頸部にはdirtyneckと呼ばれるさざ波状の微細な線状ないし網状の色素沈着が見られることも多い、乳頭、乳暈部の湿疹、痒疹が目立つ例も見られる、成人女性患者ではかなりの効率で手湿疹を併発する、四肢では特に下肢の伸側に多発する小豆大の湿疹結節が認められることもある、ADの合併症として白内障。網膜剥離などの眼症状があり、10~20歳の顔面に皮疹の見られる重症患者に多い、他の合併症として夏季に黄色ブドウ球菌、化膿性連鎖球菌による伝染性膿痂疹や単純ヘルペスウイルス感染によるカポジ水様発疹症などの感染症がある

検査診断
血中IgE(radiommunosorbent test;RIST)高値、患者の7割は血中好酸球増加をみる、ハウスダスト、ダニをはじめ、種々のアレルゲンに対する皮膚反応(プリック反応)陽性、血中特異的LgE抗体陽性を示す、乳幼児や成人では牛乳、卵、大豆などの食事性アレルゲンに対するLgE抗体が高率にみられる、学童期ないし成人ではダニやハウスダストに著しい陽性を示し、食事性アレルゲンに対する陽性率は低下する、その他環境アレルゲンの検査を行う、などの測定を行う、  

アトピーの自己治療法
食事性アレルゲン=大豆、牛乳、卵、小麦、豆類、アルコール、糖分=お菓子などの摂取により症状の増悪を呈するため、絶対に食べてはいけない
アトピーは特に、乳製品などのアレルギー食品の摂取と、呼吸不全=慢性鼻炎などによる口呼吸での免疫低下によって発症する、
深い鼻呼吸とアレルギー食品の完全な除去食という、食事のコントロールによってのみ改善が可能である
アトピーの改善方法について
アトピー性の症状は軽い場合は、腋窩、膝裏などの比較的汗を掻きやすい部分に発赤と湿疹様の掻痒感を伴う、一見「あせも」のような症状から、範囲が広がって行く、また、いきなり「アトピー性皮膚炎」として全身に症状が発症する場合や、食物アレルギーの摂取によって、アレルギー症状からアトピー性に移行する場合もある。

アトピーはLge抗体の過剰反応によって発症する、殆どは遺伝性に親族の一部に何等かのアレルギー反応を持つ者がいる場合が多く、固体での急性のアレルギーの発症は殆ど無いと見てよい

幼児期の殆どに何等かのアレルギー症状を持つ者は成人するに従って、アレルギーに対する過剰反応は抑制されていくが、成人してから、社会活動の中で、残業などの過重労働や睡眠不足などで体力が生理的限界に達して
風邪引きや、仕事、引越しなどで一時的な体力の低下などがあると、肝臓の機能は低下する、そのために生体は害毒に対する体内免疫が過敏となり、再びアレルギー反応を起こし、アトピー性皮膚炎を発症する場合がある、あるいは食物に対する食あたりなどがきっかけで再びLge抗体の過剰反応を呼び起こし、一時的にアトピー性皮膚炎を発症する場合もある

アトピー症状が沈静化している時でも、アレルギー反応を惹起する食物の摂取でアトピー性皮膚炎の症状の悪化が起きる  従ってアトピー性皮膚炎の症状が沈静化して改善したかのように見えていても、アレルギー食品の摂取には十分に注意しなければならない
(食物抗原となるものを絶対に食べてはいけない)

Lge抗体の反応は一度抗体の免疫が遺伝子的に記憶されると、一生概その反応が消えることは無く、アレルギーを惹起する、食物抗原の摂取によって容易に重症のアトピー症状が再び現れるので食物の選択は、最も大切な、手段である、これを怠ると、一気に症状は増悪を来たして、中々 治療には一時的にしか反応しなくなる
食物抗原となる食材の選択は慎重にやらねば、何度でもアトピー症状は再燃するので注意が肝要となる

アトピー性皮膚炎は決して治らない病気ではないが、しかし、抗原となる食物の摂取は致命的なもので、症状が安定しているかのように見えても、決して抗原となる食物をほんの少しでも摂取してはならない

アレルギー反応の強い者であると、舐める程度で激烈なアレルギー反応が起きて、時にはアナフィラキシーショックで、重度の呼吸障害や落命する場合すらある

体内の免疫システムは実に50%が呼吸からの肺での免疫反応である外気=(空気感染への防疫反射)、食事からは腸の免疫反応が30%、(食毒)

血液の免疫力は(ウイルスなど)20%に過ぎない、
免疫の要は実に「呼吸」にある、体質的に、または遺伝的にアレルギーがあると花粉症などや、慢性鼻炎などがあり、口呼吸となるために、呼吸免疫反応に対する 副鼻腔の働きが不十分となり、酸素の吸入量の不足とともに症状は単なる一部抗原のアレルギーから重度のアトピー性皮膚炎やアレルギー性喘息に移行する

アレルギー科または耳鼻科に来診してアレルギー症状を抑制して、口呼吸を抑制し、鼻呼吸に変え、深呼吸を心がけ、さらにアレルギー症状(アトピー)に対して反応が起きる抗原食物の絶対的な、制限を行わねばならない

ほんの少しでも、食物抗原となる食物を絶対に摂取してはいけない 食物抗原となる食事、あるいは加工食品や抗原となる材料で加工したお菓子類なども 同様にアレルギー反応を惹起するために 食事、食材には十分に注意して摂取しなければならない、症状が軽快して緩解したかに見えても、抗原となる食物を摂ると再びアレルギー反応は再燃して、症状の悪化を来たす

アトピー性皮膚炎の原因
特に、乳に含まれる、カゼイン蛋白に対し、食物抗原反応が多くの原因であることが、近年、アメリカの医学会から発表されている
副鼻腔の呼吸に対する肺の免疫低下(遺伝性のアレルギー体質)
?口呼吸となるための酸素吸入量の不足=酸素不足の免疫低下症
?アレルゲンとなる食物抗原の摂取については、厚生省の資料、「アレルギー食品について」を参照してください