背中が痛いという、若い女性が来ました

触診しながら、痛い場所を確認します
「背中が痛い」
と言っても、「背中」という場所は、とても広く、漠然としているわけですから
「背中」の中の「どの部分」が痛いのかを、特定しなければなりません

本人は、真ん中の辺・・・
と言っています

そこで脊椎沿いに軽く押圧していくと、
「もっと右側の辺です」と言います

そこで右側の脊柱から肩甲骨、肩関節、棘下筋、下部僧帽筋、腰部まで「痛み」の場所を探していくと
「右の肩甲骨」が痛いと言います

「痛み」というのは、最初は、ごく一部が痛いのですが、神経の「ファシリティション」という作用で、「痛みの場所」は、広がっていき、漠然と背中が痛い=という感じに変わってしまうのです、そして右側の背中、又は、左側の背中という、大まかな感じに変化していくのです

背中の痛みにはいろいろとあって、筋肉の痛み、又は、脊椎の「ズレ」た痛み、反射痛、等が有ります

本人は「背中」に痛みを感じるのですが、実は「胸の筋肉=大胸筋」の反射痛だったりする場合が多いのです

従って、「痛い場所」をいくら揉んでも擦っても、「痛み」は軽減しません

今は、殆んどの整体が、「矯正」が出来ない、「ただ、揉むだけの整体がほとんどです

触診の結果は「右の肩甲骨」と痛い場所を暫定しましたが、今度は、「肩甲骨のどの部分が痛い」のかを調べなければなりません

先に述べたように、
「本人の自覚する痛みの箇所」
というのは、実にいい漠然とした加減な感じなのです

「肩甲骨」は「肩甲棘」を境に、上の部分が=棘上筋
肩甲局の下の部分が=棘下筋>になります


そして神経支配は
頸椎C−5から出ている「肩甲背神経」です


横隔膜から上の部分 は全て
皮膚も
筋肉も
血管も
リンパも
内臓も
頸椎の中の頚神経に支配されています


そしてもう一つ
「肩甲骨の筋肉」が痛いというのは、めったに起きません、というより、「起きない」という特殊な部分なのです

ましてや、「棘下筋」が痛い
というのは、云ってみれば「有り得ない痛み」の症状なのです

つまり、棘下筋というのは、どんな運動をしても、どんな仕事をしても、「筋肉の疲労」では決して棘下筋という、その部分だけが痛い、という現象は、発生しません。

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肩甲骨の下の筋肉が棘下筋です」

肩甲骨の棘上筋、棘下筋というのは
「腕=上腕骨と肩甲骨」を結ぶ=結合する特殊な筋肉です

その特殊性は、「腕」をどんなに酷使しても、ひねっても、極度の負荷を掛けても
決して痛みは出ないシステムになっています
一般的に言われる「四十肩」「五十肩」でも「棘下筋」だけが痛む。という現象は起きないような構造になっています

特殊な部類ですが
ボディビルディングのような、特殊なトレーニングの中には「棘下筋」だけを鍛えるという種目も有ります=それでも「棘下筋」だけが限局して痛い、というのは決して起きません。

さて、触診検査ですが、棘下筋を「軽く押圧」するだけで。「そこが痛いです」
と言います

その他にもいろいろと、押圧検査してみますが、「痛み」を訴える場所は、肩甲骨の下の部分=棘下筋」のみです

体幹の場合の痛みは
、大概、体幹の反対側の筋肉の反射痛が大部分です
ですが
この女性の場合は、大胸筋や二頭筋などには、「肩甲骨」に痛みを発生させるような筋肉の疲労や硬結が存在しないのです

従って
この「痛みの原因」は・・・・・「神経系の反射痛」という診断になります

さて、「棘下筋」を支配いしているのは
頸椎のC−5=肩甲背神経です

そこで、確認するべく、首の触診です
正確には神経系の異常を起こして居る「頚椎」の「変位」を触診で見つける作業です

整体でも、カイロでも、この、「頸椎の触診」「胸椎の触診」゜腰椎の触診」を正確にできる人は、殆んどいないのが、現状です

従って、普通の整体では「ボキボキ」と骨を鳴らすのは、骨の捩じり方や、いい加減な感覚だけで、「捻じれた骨」や「ズレ」た骨を「正しく矯正する=正確に*元の位置に戻す*のでは無く、ただ、単に骨をボキボキと鳴らすだけなのです

DCクラスのカイロプラクティックの先生クラス
でないと、この「正確な触診」というのは、出来ません

=従って整体でもんだり、骨をボキボキするが。
症状は一向に良くならないという結果になるのです。

何故ならば「神経の障害」を除去していないからなのです

DCとは、米国の正規のCHIROPRACTICのドクターを差す言葉です
つまり=「ドクターオブ、カイロプラクティック」の略称です

『カイロプラクティック」とは、「ズレ」た脊椎を正しい位置に戻す健康法であり、その高等な技術はアジャストメント」のことを言います=神経を正しく調整するという意味です

私の師匠はロスアンゼルスで、開業していた。正規のドクターなのです須藤DCと言います
私はこのとドクターから三年にわたって直接の指導を受けてきました。
指導は実に厳しいモノでした。