椅子から落ちた70歳の女性

荷物を棚の上に上げようとして、椅子の上に載ったら、椅子がこけて、お尻から転落した70才の女性が来ました

一番の症状は
自分で首を起こせなくなったことです

仰向けに、やや、後ろ倒れの状態で、落下したので
お尻から着地した時に、首が「後方」へ激しく反りかえる運動をします

この状態は、結果的に
自動車事故の「むち打ち症」と、同様の、「首の捻挫」が起きてしまいます

自動車事故の場合、後部から追突されると=首は「ムチ」のように前後に激しく振られます

その結果、首を支える筋肉が「挫傷」を受けます

大概は
後ろの「後頚筋群」よりも、「前の前頸筋」が激しく「伸ばされて」後ろに「反りかえる」「首」を支えようとします

その結果、頸の主動筋の「胸鎖乳突筋と斜角筋」か挫傷を受けます。

すると
寝た姿勢から、起きようとすると、首を前に支える筋肉の「胸鎖乳突筋と斜角筋」が痛いために、首を持ち上げられなくなります。

もちろん「寝返り」もこの場合は、激しく首が痛みます

自動車事故の「むちうち」の時に起きる、激しい「首の振子運動」によって、首の筋肉だけでなく
「頚椎関節や頸椎の脊柱管」まで、激しく損傷を受ける場合も有リます。

最もひどい場合は
頸の上に有る「頭」が第一頸椎から「振子運動」のために、外れるような動きをします
=
この場合は、「高次機能障害」を起こします
つまり
一生「車いす」
又は
寝たきり、になるのです

最悪の場合は「死亡」です

「むち打ち症」とはこのように、大変な症状になる場合が有るのです

その時に、大した症状が無くても

10年20年30年後になってから
「手が痺れる」
「めまいがする」
「重症筋無力症」
「脊索硬化症」
「脊髄空洞症」
などの
重傷の障害病に変位する場合も有るのです

今回は70才の女性です
骨が弱化していれば、間違いなく
「骨盤骨折」
「脊椎骨折」
「頚椎骨折」
等の
ひどい症状になる場合も雄ったあったでしょう

この女性は、変な言い方ですが
「運よく」
椅子からの転落の状態が軽かったのと、普段、筋トレをしている人なので骨が丈夫だったようです
打撲の場所は
では有りません

臀部=左の坐骨部分
左足の脛
右前頭部
背中

の、四カ所です

しかし
最も痛いのは、どこにもぶつけていない
「首」なのです


ですから
「むち打ち症」の説明をしたわけです

こういう障害を
「介達外力」
とい言います

直接にぶつけていなくても
「衝撃の応力」
身体の他の部分に障害を発生させる現象です

ぶつけた部分が痛い場合は
「直達外力」
と言います

この女性は、約40分の治療で「首の痛み」は消失しました

治療は
痛い「首」では有りません

頸は、衝撃によって、筋肉の挫傷が起きたわけですから
「痛い首」に触っても、揉んでも、良くなりません


ここで考えなくてはならないのは、
「何故、ぶつけても居ない、首が最も痛いのか?」
という問題です

三角関数やサインコサインのように

「頸の痛み」という「答え」から「原因」を見つけなければならないのです

ですから

痛い所では無く
その痛みを「発生」させる場所を身体中をにらんで、関数の「答え」を見つけるのです


治療は、普通の人が見たら絶対に納得しないところです

細かい説明は長くなるので機会が有れば。説明します

ではまた・・。